貧困の現状をとらえるヨーロッパの動きは、日本の現状とはかなり様子を異にしています。ヨーロッパにおける貧困指標作成は、政策形成と密接に関連しているとちもに、歴史的伝統もあって、貧困および貧困研究に対する政府による関与が顕著で、多くの国々で、指標作りは政策形成と密接に関連しています。
また、貧困・格差指標の開発に、大きく貢献してきたのが国際連合(United Nations: UN)、欧州連合(European Union: EU)などの国際機関です。これらの機関においては、複数の国の状況を横並びに比較することによって、それぞれの国の状況を把握し、各国における政策の評価の目安にしたり、今後の目標を設定することを目指しており、そのために共通の土台となる指標の開発が不可欠でした。
特に、欧州連合(EU)では、オープン政策協調手法 (Open-Method-of-Coordination: OMC) による加盟国の社会政策の協調が義務づけられ、共通の指標によって、そのプログレスを測定する必要性があり、早くから共通指標の開発が手がけられました。
ここでは、国際機関や主要国による貧困指標を紹介します。
1.国際連合(UN)、経済協力開発機構(OECD)、欧州連合(EU)における新しい貧困指標の開発
2.主要国による貧困指標 :フランス、イギリス、アイルランド、ニュージーランド
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